~森熊物語~

森熊の創業は大正10年(1921年)2月。森 熊太郎が今治市港町(現・室屋町)に愛媛で初めての表具材料問屋『森商店』を開業しました。

当時を知る関係者は現在、誰もいませんが、開店初日については『大変寒い日でした。朝からお客さんを待っていましたが、夕方まで一人も来られませんでした。夜の8時過ぎに店を閉めようとしたところ、通りがかりの方が”こんな店ができたのか”といって、入ってきました。狭い店内を見たあと、矢筈(やはず=掛け軸を掛ける棒状の道具)を1本買っていただいた』と創業者の妻(昭和53年没)が思い出話をしていました。

屋号は名字をそのまま使用していましたが、お客さんが増えるにしたがって、いつの間にか名前の一字と合わせて”森熊さん”と呼ばれるようになりました。
ちょっぴり奇妙な屋号ですが、”お客さんが付けてくださった”ということで、『森熊商店』、『株式会社森熊』と時代に応じて屋号は
変わりましたが、『森熊』という名前は変更しないというのが後継者への引継事項となっています。

戦中、戦後の大変な時期の仕入は品不足で困難を極めていました。当時はほとんど大阪で仕入れていたのですが、仕入に行くたびに、必ず、次回の仕入れ分まで支払うという商法で材料を確保し、なんとか問屋業を続けることができました。大きく飛躍したのは、昭和30年代の中頃。壁紙が登場した際、『貼る』という作業は表具屋さんならできるということで、森熊にも取り扱う話が持ち込まれ、四国で初めての壁紙問屋となりました。その後の壁紙の普及は目を見張るものがあり、日本では現在、年間7億㎡が生産されています。

壁紙を起爆剤に、森熊は昭和40年代の終わりには、表具、壁紙に加え、いち早く床材、窓材のいわゆるインテリア商品全般を取り扱うようになり、販路も四国全域に拡大し、豊かな生活空間づくりに会社を挙げて取り組んでいます。

※写真は、森熊創業者の家族写真(昭和8年頃撮影)